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弁護士が解説【法律豆知識】教えて!悠太先生『破産って2回目でもできるの?』

こんにちは、事務スタッフのエリです。

さて、今回から新連載がスタートします。
題して『弁護士が解説【法律豆知識】教えて!悠太先生』です。

日常の疑問やプチトラブルを弁護士の鈴木悠太先生に解説してもらおうというこの企画。

記念すべき第一回は『破産って2回目でもできるの?』です。

「自己破産」は聞いたことがある人も多いと思います。


自己破産とは、債務の弁済が不可能であることを裁判所に申し立て、自身の財産と負債を清算する手続です。清算が終わると、ほとんどのケースにおいて、債務の全額が免除されます(免責)

詳しくはこちらをチェック 自己破産について


さて、今回はこの破産手続きが2回目も可能なのかを弁護士の鈴木悠太先生に聞いてみました。

Q.破産は2回目もできますか?

できます。

一般的に言う破産は①破産申立(資産を集めて配る)と②免責許可(債務の免除)の2つの手続きから構成されています。
この免責許可には「免責許可の決定の要件等」(破産法252条①)という条件があり、ここに掲げられている事由のいずれにも該当しない場合に免責許可が決定されます。
ザックリ簡単に言うと、悪質なこと・賭博・浪費などは免責しませんよ!ということと、7年以内に免責許可の申立てがあったら免責しませんよ~。という感じの内容です。

と言っても、実際のところは弁護士が介在し、適切に申立てをすることで免責許可される可能性が上がります。
僕も浜松で弁護士をしてもうすぐ10年になりますが、免責不許可にはまだ出会っていません。
(破産手続をすれば絶対に免責されるというわけではありませんよ!)

.大袈裟な話、何回でもできるってことですか?

回数の制限はありません。でも5回目となったら、理由にもよりますが難しいかもしれません。
破産手続きに限らず、支払が滞っていれば、俗に言うブラックリストと呼ばれる信用情報(クレジットやローンの契約情報)に履歴が残るので、何年かは借入れをすること自体難しいはずです。

.何年以内は手続きできないなど、制限はありますか?

法律上、7年以内は免責できないことなりますが、実際は3年でも不可能ではありません。
悪質じゃない、破産するにふさわしい事由がある場合は「裁量免責」が認められます。(破産法252条②)
「7年経ってないから無理かな」と自分で抱え込まずに、まずは専門家に相談することをおすすめします。

.2回目破産ができないこともありますか?その理由は?

回数に限らず、資産を隠していたり、本当に悪質な場合は破産できないこともあるかもしれないです。

.1回目と同じ理由でも破産はできますか?

免責不許可事由に該当するような、ギャンブルや浪費を理由に再び破産したいというのは、本来の破産の目的「債務者が立ち直るための裁判上の手続き」を考えるといかがなものか…と思うところは正直あります。
理由や状況はひとりひとり異なりますので、専門家に相談してみるといいと思います。

.1回目と手続きの違いはありますか?

同時廃止(配当ための換価や自由財産の拡張を行うべき財産がなく、免責を妨げる事由もない案件については、破産管財人が選任されることなく破産手続が即時に終了)は難しいと思います。たぶん管財人が付くことになるので費用も変わってくると思います。資産や負債の額によって異なりますが、裁判所への予納金が20万円~50万円位は必要になると思います。手続き自体についても、経緯や理由を詳細に説明する必要があるので手間はかかるかもしれません。

.管財人ってなに?

資産のある人や資産があると思われる人、免責不許可事由に該当しそうな人、裁量免責の人には破産管財人が付く可能性が高いです。
※破産管財人…破産者の持っている財産を管理したり処分してお金に換えたりする人

.破産って借金を清算できるメリットしか感じませんが、デメリットはありますか?

実害ゼロのことが多いと思いますが、デメリットとしてあげるとすれば

  • 官報に掲載される
  • 資産を失う場合がある(99万円までは財産を持てることがあります。)
  • 破産手続き中に就くことができない職種がある

ということでしょうか。

官報をチェックする一般の方は少ないと思いますが、金融機関の方などは見ています。
資産についても家など高額なものがあれば換価して返済に充てる必要があります。
また、士業や保険外交員、会社役員などは破産手続中はその職種に就くことができません。復権も可能ですので、個別にご相談ください。


最後に、借金問題にお困りの方へ
借金の返済にお困りの場合、生活を建て直す方法は破産だけではありません。

任意整理や特定調停、個人再生という方法もあります。それぞれに特徴があり、債務の種類や今後の生活を考慮して方針を決定する必要があります。自分にとってどの手続が最適なのか、ご自身で判断するのは難しいことかもしれません。

「破産はできれば避けたい」と思って相談にいらした方でも、それぞれの手続についてメリット・デメリット、ご自身の状況をしっかり理解していただければ、納得して破産手続を進められます。

債務整理にお困りの場合、まずは弁護士などの専門家に一度相談することをおすすめします。

さて、次回は『婚約破棄されたけど、慰謝料って請求できるの?』の予定です。