年代
30代
性別
男性
職業
会社員
傷病名
外傷性頚部症候群、腰椎捻挫
治療期間
7ヶ月
後遺障害等級(依頼前)
非該当
後遺障害等級(依頼後)
14級
賠償金額(依頼前の提示金額)
提示前に訴訟提起したため不明
賠償金額(最終的な解決額)
200万円

弁護活動のポイント

頚椎と腰椎の神経症状が残存

本件のお客様は、事故後7ヶ月ほど通院を行いましたが、最終的に頚椎と腰椎の神経症状が残存してしまいました。
ご本人の自覚症状の程度や後遺障害診断書上の所見から、弁護士の判断としても、お客様の後遺症は少なくとも遺障害等級14級に相当するものではないかと窺われました。

過去に後遺障害等級14級の認定あり

もっとも、本件のお客様は、過去に交通事故で頚椎と腰椎を受傷し、自賠責から後遺障害等級14級の認定を受けていらっしゃいました。
自賠責保険においては、ある部位につき一度後遺障害等級が付くと、その後に別の交通事故に遭って同一部位に同程度の後遺症が残ったとしても、後遺障害に係る補償を受けることができません(ただし、新たな後遺障害が従前の後遺障害よりも上位の等級に該当するものである場合には、従前の後遺障害からの加重部分を限度として補償が受けられます)。
そのため、本件のお客様については、訴外交渉の方法では後遺障害に係る補償が一切受けられない可能性が懸念されました(仮にそうなった場合、本件でお客様が得られる賠償額は通院慰謝料の100万円程度であったものと思われます)。

後遺症と過去の後遺障害とは別物

しかし、問題となった過去の交通事故から本件事故までの間には相当な時間が経過していたうえ、一般に14級9号の神経症状については逸失利益が5年程度に制限される傾向があります。
こうした観点からすると、本件事故の後遺症と過去の後遺障害とは別物であり、お客様について後遺障害の補償が一切受けられないのは不合理ではないかと考えられました。

賠償を求める裁判

こうした事情から、当事務所は、本件事故の後遺症について賠償を求めるべく裁判を起こすことにしました。
本件の裁判は、原告側と被告側で見解が真っ向から対立する困難なものとなりましたが、最終的に、後遺障害に係る賠償が一定程度考慮された200万円という金額で和解が成立しました。
上記和解金額は当方の請求の全てが認められた数字ではありませんが、訴訟という手段を選択しなければ実現困難であった解決水準と評価できます。そうした意味で、本件は弁護士が関与したことが結果を分けた案件といえます。