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すぐ読める!改正相続法のポイント~第2回 配偶者短期居住権~

弁護士の鈴木です。

 

ここ数日で浜松市はグッと寒くなり、なかなか布団から離れられない朝が続いています。

 

さて、本日は配偶者短期居住権について解説します。
前回の配偶者居住権と名前は似ていますが、制度としては別物なのでご注意ください。

 

 

【どんな制度?】

 

配偶者短期居住権は、亡くなった方(被相続人)の建物に住んでいた配偶者が相続により居住の権利を失った場合等でも、一定期間についてはこれまでどおり住み続けることを認めますよ、というものです。

 

配偶者居住権が、遺言や遺産分割等によって取得される配偶者の資産であるのに対し、
配偶者短期居住権については、居住建物の権利を取得できなかった配偶者を保護する制度という位置づけになります。

 

配偶者短期居住権の存続期間等はケースによって異なりますが、最低でも相続開始から6ヶ月間は居住が可能となります。
この間、配偶者は賃料等を支払う必要がありません(無償)。

 

なお、配偶者短期居住権で保護されるのは、あくまで相続開始前と同態様の使用権限のみとなるほか、配偶者短期居住権を第三者へ譲渡することはできません。

 

また配偶者短期居住権のもとでは、建物取得者の許可がなければ、当該建物に第三者を同居させることはできません。

ただし、配偶者に必要な介護を行うために親族等が新たに居住するようなケースであればこうした許可は不要と解されています(かかる親族等は配偶者の履行補助者となり「第三者」には該当しないためです)。

 

 

【この制度のメリットは?】

 

実は、配偶者短期居住権と同様の保護は、現行法のもとでも受けられます。

その根拠となるのが、最判平成8年12月17日(民集50巻10号2778頁)です。

 

この判例では、共同相続人の一人が相続開始前から被相続人の許諾を得て遺産である建物に同居していたときは、特段の事情がない限り、遺産分割により当該建物の所有関係が最終的に確定するまでの間は当該建物を無償で使用させるとの被相続人の同意があったものと推認されるとし、この被相続人の地位を承継した他の相続人と当該同居人との間の使用貸借契約関係を認めています。

 

もっとも、この判例の射程には限界があり、ケースによっては配偶者の保護が図れないという問題がありました。

たとえば、被相続人が判例の言う無償使用に反対する意思を示していた場合や対象建物が第三者に遺贈されてしまった場合などです。

 

今回の法改正は、こうした判例法理の欠点を立法によって補うものといえます。

 

 

【いつから施行されるか?】

 

配偶者短期居住権に係る改正法については、2020年4月1日から施行となります。