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浜松の女性弁護士が3分で解説!ここだけは押さえて!離婚協議書作成3つのポイント

こんにちは、静岡県浜松市の弁護士の大和田彩です。今回は、実際に皆様からご相談の多い、離婚協議書を作成する際の3つのポイントを、弁護士の視点から解説します。

ポイント1!協議書を公正証書にする!!
離婚自体は、離婚届を提出すれば成立するのですが、養育費など支払ってもらえるか心配なので、離婚協議書という書面を作ることがあります。協議書まで作る方、実際、ここまでだと効力としては△です。協議書まで作っておけば、養育費、慰謝料などが滞った場合、裁判をして、協議書どおりの合意があったとして支払いを命じる判決をもらえる可能性が高いです。このように、協議書に定めたとしても、強制的に支払わせるには、一回裁判をするしかないのです。これには、結構お金も手間もかかりますね。
ですから、協議書を作成するだけでは△で、これを公証役場に持って行き、公正証書にすることまでできれば◎です。公正証書にしておけば、いちいち裁判をすることなく、公正証書を使って、給料や預金から差し押さえをできるのです。

ポイント2!強制執行を意識して定める!!(これは、養育費、財産分与、慰謝料などですね。)
協議書の中身の話として、強制執行を意識して定める必要があります。
例えば、財産分与について、旦那さんが奥さんに財産の2分の1を渡す、と定めた場合、これでは×です。旦那さんが預金口座、不動産、株式、生命保険などの財産を持っていた場合、実際に、どの財産を渡せば旦那さんの財産の2分の1になるか明らかではないので、不払いの場合に強制執行をする裁判所が特定できないのです。特に、不動産、株式については、共有にするのでなければ、財産価値の半分といわれても、一体いくらの不動産であるのか、いくらの株式であるのか、評価が分かれてしまうのです。
したがって、定め方としては、財産の総額が大体1000万円であるなら、シンプルに、「旦那さんが奥さんに、●年●月●日限り(までに、という意味)、財産分与として、500万円を支払う」、財産の総額が2000万円であるなら、「旦那さんが奥さんに、●年●月●日限り、1000万円を支払う」という定め方にする、不動産であれば、「旦那さんが奥さんに、財産分与として、●年●月●日限り、●●市●●町●●番地の土地建物の所有権移転登記をする」など、特定できる定め方にする必要があります。

ポイント3!養育費は、終期、つまり、終わりの時期に注意する!!
養育費について、例えば、毎月末日に6万円ずつ支払うよう定めた場合、いつまで支払うかについても色々な定め方があります。
これまでは、成人になる20歳までと定めることが多かったのですが、この4月からの成年年齢引き下げの影響で、今後、旦那さんの側としては、18歳までにしてほしいという主張をすることが予想されます。一方、現在、大学まで通うという方も増えているので、奥様側としては、両親が大卒なので、大学まで入れたいなどと主張することで、例えば22歳までの養育費を獲得していけると良いと思います。
余談ですが、養育費について、滞るのが怖いので、一括で支払ってほしいという相談がよくあります。これ、実際に公正証書にして、一括払いをさせる、強制執行をすることは可能なのですが、おすすめしていない場合もあります。例えば、月6万円×12ヶ月×20年で、1440万円を、離婚する月の末日までに支払うと合意した場合、実際に旦那さんの口座に1440万円が確実にあるのであれば、不払いでも強制執行できるのですが、実際には、そんなまとまった預金はないよ、という場合、結局差し押さえできなくなってしまうのです。養育費として月6万円ずつという定めをしておけば、支払いが滞って強制執行の際、給与から天引きで6万円ずつを差し押さえることができるので、旦那さんの収支の状況を見て、一括よりも毎月の養育費の支払いをおすすめすることもあります。(サラリーマンでずっと同じところに務めている旦那さんの場合などは、月ごと払いをおすすめしています。)。

 離婚協議書の定め方については、当事務所のホームページに書式がありますが、とてもシンプルなものなので、これを使用していただいても良いかと思いますし、より具体的に定めたいですとか、作ってみたけど一度チェックしてほしいですとかご要望がございましたら、是非一度、お気軽にご相談ください。