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浜松の弁護士による会社のための法務教室④ 就業規則変更時の注意点

静岡県浜松市の女性弁護士、大和田彩です。
鈴木・大和田法律事務所では、地域の企業の顧問業務その他の企業法務を中心的業務として取り扱っております。そこで、中小企業の法務部や総務、人事に携わっている方に向けて、役立つ情報を提供していけたらと考えております。
今回は、日頃、顧問先企業様よりご相談を受ける機会の多い、就業規則の変更について解説します。

 

常時10人以上の労働者を使用する会社は、就業規則を作成する義務を負います。

就業規則を変更する場合、変更案を作成した後、従業員代表者からの意見聴取をし、労基署に就業規則変更届を提出する必要があります。また、労基署への届提出後、社内で、変更後の就労規則を周知する必要があります。

就業規則を従業員にとって有利に変更する場合は良いのですが、不利益に変更する場合は注意が必要です。

というのも、原則として、各従業員からの個別の同意を得ない就業規則の変更手続きによっては、従業員の労働条件を不利益に変更することができません(労働契約法9条)。例外的に、変更内容が合理的な場合であり、かつ変更後の就業規則を周知させていた場合に限り、個別の同意を得なくても、就業規則の変更が認められます(労働契約法10条)。

就業規則の不利益変更について従業員の方から争われてしまった場合、変更内容が合理的であると認められるか否かは裁判所の判断に委ねられてしまいますし、変更内容が合理的であると認められるためのハードルも高いかと思います。もっとも、裁判例の中には、個別の同意書を取得していた場合でも、同意書の記載内容の問題点や、同意書取得の際の説明が不十分であったことから、同意書を無効と判断されてしまったケースもあります。そのため、個別の同意書の内容、取得方法にも万全の注意が必要であると考えられます。

ですから、万全を期するという意味で、各従業員からの個別の同意書を取っておくことが重要になるかと思います。

就業規則の変更には、このような繊細な判断と手続きが必要とされることから、ご検討されている企業様は、いちど企業法務に詳しい弁護士にご相談されることをおすすめします。

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