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浜松市の弁護士が3分で解説!私のトラブル,弁護士に依頼すべきでしょうか??

浜松市の弁護士の大和田彩です。
みなさまの中には,現在紛争状態にあるけれど,弁護士に依頼してメリットがあるのかどうかわからないという方も多いのではないかと思います。そこで,今回は,弁護士を依頼すべきか否かの判断のポイントについて解説します。

弁護士に依頼すべき案件かどうかについてご相談いただいた際,弁護士の視点から,主に以下の①から③の3点について事実のヒアリングをし,弁護士に依頼すべきかどうかについてのアドバイスをしています。

①法的に請求が可能な案件か。
まず,みなさまのおかれている紛争状態が感情的なものではなく,法的な紛争であることが必要です。そして,みなさまに,相手方に対して法的請求を行う権利がある(法律上の要件を充足している)ことが必要です。

②弁護士費用と得られるリターンとを天秤に掛け,リターンが勝るか。
次に,みなさまが紛争の相手方に法的請求をしたときに得られるリターン(金銭,土地・建物などの不動産だったり,離婚という結果だったりします。)が,弁護士費用を上回っているかどうかを吟味する必要があります。

③紛争の相手方からの回収可能性はあるか。
仮に裁判で勝てたとしても,相手方が判決を受けてそれでも支払わない場合,権利を実現するには,強制執行といって,相手方の財産から差押えをせざるをえなくなります。もっとも,紛争の相手方に財産(預金,不動産,自動車など)がない場合,強制執行は奏功しません(空振りになってしまいます……)。相手方が働いていれば,職場の給料から差押えが可能ですが,相手方が定職についていないような場合,差押えは困難です。強制執行は本人名義の財産を対象に行うため,紛争の相手方の配偶者(夫・妻)やご両親が財産をもっていても係っていくことができません(ご家族が連帯保証をしている場合は別です。)。
法曹関係者以外の方にはなじみのない感覚かもしれませんが,勝っても取れない、ということが平然と起こり得るのです。
したがって,②の費用の話と関連しますが,弁護士に依頼する際,紛争の相手方がお金を持っているか,裁判後支払わない場合に差押えが可能そうな人か(きちんと仕事に就いている人か)などについても考慮する必要があります。

ご相談のお問い合わせをいただく方の中には,①法的に請求可能ではあっても,②・③の点に鑑みて,依頼するメリットが少ないと思われる方が少なからずいらっしゃいます。②・③について,費用対高価を吟味した結果,相手方に請求して得られる額が弁護士費用を下回ってしまう可能性が高い場合,(たとえ弁護士に依頼するより得られる額が少なくなってしまったとしても)弁護士を利用せず,当事者間で話し合いをまとめるというのも,とても合理的な判断かと思います(つまり,得られる額が思ったより少ない額であったとしても,弁護士費用を支払ってマイナスが生じるよりはマシという判断です。)。

弁護士に依頼するか否かを考慮する際,ぜひ参考になさって下さい。