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弁護士から離婚を請求されたときにやってはいけない3つのこと【男性の離婚相談】

  • 妻が突然子供を連れて家を出て行ってしまった。
  • すると、すぐに弁護士から内容証明が来た。
  • 通知には、「奥様との離婚を請求します」「今後の交渉は全て弁護士を通すように」とあった。


実務上このようなケースはよくあるのですが、実際に通知を受け取った人からすれば、突然のことに頭が真っ白になると思います。


私の経験上、こういう場面で慌てて自己判断で行動を起こすのは危険です。


こういうときはご自身も弁護士に相談いただくのが理想なのですが、様々なご事情で「すぐに相談に行けない!」という人のために、一般論として「これはやってはいけない!」というポイントを解説していきますので、まずは一呼吸置くようにしましょう。

弁護士から請求=今すぐ離婚、ではない


そもそも「奥様の別居とともに弁護士から通知が来る」ということは、ある程度前々から弁護士と相談していて、計画したうえで別居を実行したという可能性があります。

こうした状況から推測すれば、現時点で、離婚に向けた奥様の意思はかなり強いだろうと思われます。

ですが、あなたにまず知っておいて欲しいのは、

あなたに余程の落ち度がない限り、今すぐ離婚を強制されるわけではない

ということです。

法律上、離婚請求が認められるのは、あなたに不貞行為やDVなどの重大な落ち度がある場合か、あるいは別居が長期間に及んでいて客観的に関係改善の余地が無い場合などに限られています。

別居期間が何年になれば「長期間」なのかはケースバイケースですが、いかに奥様に弁護士が就いていたとしても、1~2年の別居のみを理由に離婚裁判で勝つことは難しいと考えられます。


つまり、

あなたが奥様との関係修復を試みようとするならば、少なくとも今から数年程度は持ち時間がある

ということです。

もちろん、関係修復は相手の気持ちが前提となるため、実際には簡単なことではありません。

しかし、「このまま離婚なんて納得できない!」というのがあなたの素直な気持ちであるならば、今取り組むべきことは、裁判で離婚を強制されるまでに与えられた時間を最大化することだと考えます。

やってはいけないこと① 奥様への直接連絡


昨日まで普通に会話していた奥様との連絡を禁止される、ということに納得がいかない気持ちはよく分かります。


しかし、弁護士を立てるというのは、誰しもに認められている制度であり権利です。

奥様が立てた弁護士を無視するということは、裁判所から見れば「夫側は相手の権利や立場に配慮した行動が取れない」という評価となり、「離婚が相当」という結論に繋がる事情の一つとなります。

特に、奥様の別居先や職場、お子様の学校に押し掛ける、第三者を使ってプレッシャーを掛けるといった方法は絶対にやめましょう

このような行動があると、もはや当事者の意思疎通が難しいと評価されてしまい、話し合いどころではなくなります。最悪の場合、お子様との面会が難しくなったり、刑事的なトラブルに発展したりする可能性もあります。

奥様への直接連絡は、交渉におけるあなたの武器である「持ち時間」を減らしてしまう典型的な悪手であるため、絶対にやるべきではありません。

相手方の弁護士とやりとりをするのが難しいのであれば、こちらも代理人を立てるのが適切です。


やってはいけないこと② 別居中の生活費を支払わない


相手が勝手に出て行ったのに、なぜ生活費を負担しないといけなのか?

とお考えになる方もいるかもしれません。

しかし民法上、夫婦は、配偶者や未成熟子に対し、自分と同一水準の生活を保障しなければいけません。

これは、奥様が家を出て行った場合でも基本的には同じです。


結婚中の生活費のことを法律用語で「婚姻費用」といいます。

婚姻費用を支払わないということは、離婚裁判において、「夫としての義務を拒否した」という評価になり、やはり離婚という結論に繋がる一事情となり得ます。

また、婚姻費用は法律上の義務なので、たとえ支払いを拒否したとしても、多くの場合、最終的には家庭裁判所の審判によって、奥様からの申立てがあった時点に遡って金銭の支払いを命令されることになります。結局、過去に遡って支払いを強制されてしまう以上、いっとき請求を拒否したところで経済的にもほとんど意味がありません。

ただし、「婚姻費用を支払うべきである」ということと「いくら支払うか」というのは別の問題です。

算定表を使う際、お互いの年収は源泉徴収票の「支払金額」を基準にしますが、人によっては、支払金額と実際の可処分所得が大きくずれているケースもあります。そうした場合、算定表の基準とすべき収入(基礎収入)を修正することも検討すべきです。

やってはいけないこと③ 面会交流を相手方任せにする


離婚事件においては、監護親(今回でいえば奥様側)が、様々な理由から面会交流に前向きではないケースも少なくありません。

男性の中には、「とにかく離婚を考え直してほしい」ということに頭がいっぱいになってしまい、あるいは「奥様が自然と前向きな気持ちになるまで、面会交流について触れない方が良いのでは…」と考える方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、個人的な感覚として、奥様が面会交流に消極的なケースでは、そのまま子供と交流しない時間が長くなっていくほど面会交流に対する監護親の心理的負担感はむしろ増加していく危険があります。

つまり、面会交流はできるだけ早い段階で、男性側から申し出る方が良いと考えます。

特に奥様に弁護士が就いている場合、弁護士は早期の離婚を実現するためにはあなたの合意が必要であることを理解していますから、何か事情がない限り、面会交流の申し出を無下にはしないはずです。


面会交流の交渉において重要なポイントは、奥様に無理をさせないという視点を持つことです。


特に最初の段階では、面会日時や面会時間・頻度について折り合えない場合、ご自身の希望にあまり拘らず、できる限り相手に合わせるということが大切です。

一般に家庭裁判所では、子供の健全な成長のため、離婚で争っている夫婦であっても、月に一度程度の面会交流を積極的に推進する立場を採っています。

しかし、子供が小さかったり、別居先が遠方だったりするケースでは、子供が自力であなたに会いに来ることが難しく、どうしても、面会交流の実現が相手方の任意の協力のうえに成り立たざるを得ない実態があること理解しておく必要があります。

面会方法が折り合えずに交流が先延ばしになるくらいであれば、最初は細くても良いので、1日でも早くお子様との繋がりを確保することに徹するべき、というのが私の見解です。
細くても糸さえ繋げておけば、徐々にその糸を太くしていくことは十分可能だと思います。

浜松で離婚の法律相談なら


弁護士から離婚を請求された場合、こちらも弁護士に相談して、あなたの事案に沿ったアドバイスをもらうのが正解です。

当事務所は、静岡県浜松市を拠点に、離婚に悩む男性の法律相談にも積極的に対応していますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。